いらかのなみ
甍の波
其の二十
~ 温故知新 ~
SACDやDSDファイルを初めとしたハイレゾ音源もすっかり定着した感があり
日々 楽しんでいらっしゃることだと存じます
或いはレコード派と言う方も少なくないと思いますが
今日の主役は 普通のCDソフト です
CDが国内で一般的に登場したのは1982年
各メーカーの1号機が¥200,000前後で発売され
ソフトのタイトルも¥3,500/1枚くらいでした
当時のLPレコードが¥2,800/1枚くらいでしたから
10年の寿命※1と考えたら なかなか高価で手が出しづらかった記憶があります
あくまでもLPメインで、サブにCD買っておく~みたいな
出だしだったと思いますが
当時よく耳にしたやり取りに
『カセットテープの音の方がまだましだ!!』的な言い回しです
確かに、高性能カセットデッキと高性能テープの出会いで
4.75cm/s※2と云う劣悪な条件下でありあながら
なかなか使えるミュージックツールであったし
ラジカセやウォークマンが出てきたことによって
世界中に広がったスタンダードメディアだったわけです
さて、ここからが本題です
ノイズが無い事、非接触だという事が利点の一つでしたが
テープにも劣ると言われた当時のCDソフト~が デス
今のCDプレーヤーで再生すると、40年前には表現出来なかった
空気感であったり、温度感であったり、迫力であったり
その録音現場の様子が手に取るように見える臨場感を
高い次元で表現していることに気づかせてくれます
CD化するにあたって
当時の音源は それ以前に録られていたアナログマスターだったわけで
いわゆる1インチとかの磁気テープに記録されていたわけです
磁気テープ故の泣き所として、ドロップアウトとか転写だったり
擦れたり、ねじれたり、切れたり……、とにかく耐久性や経年変化に弱いと言えます
にもかかわらず、今でも人気のタイトルが 繰り返し発売されるのは
デジタルマスター化されて保存されているおかげなのです
アナログ音源はコピーや保存が苦手(=変形・変化)ですが
デジタル変換(エンコードとデコード)と云う過程が不要です
逆に鮮度こそが重要と言うとことも出来るわけです
だから
40年前のディスクには最も新鮮なアナログ音源データが刻まれているので
後から出てくるモノより音が悪くなる要素がないわけです
まず優先されるべきは鮮度なのです
即ち、
昔買ったCDソフトを 最新のCDプレーヤーで
もう一度聴いてみよう!!
なのです
出会えるのは「青春の一頁」だけではなく
ハッと息を吞むような瞬間が随所にちりばめられているのではないでしょうか !?
※1:ソフトの箔寿命と言って良いでしょうか、半永久的ではありませんでした
※2:カセットデッキのテープスピード(世界標準規格)の統一規格
オープンリールであれば、9.5cmや19cm、38cmなど、
カセットより良い条件下で録音・再生が出来た