オーディオスクェアHP

2019年10月17日木曜日

マーラー:交響曲第10番を聴く


よもや自分が聴くとは…

ましてやこのような紹介記事を書くとは…

夢にも思いませんでした

とは言え、クラシックの素地が全く無い私が

初めて興味を持った作家がマーラーだった と言っても信じられますか?


’80年代、某ウィスキーのTVCM

「大地の歌」

20世紀になってようやく「時代」がマーラーに追いついた

ていのフレーズが妙に刺さり興味を持った次第で

とりあえず手にしたのが5番でした

東洋人にも分かりやすい音楽~と云うフレーズも

聴いてみて納得できました


全く素地のない人間の聴いた感想なんて 何の意味も持たないと思いますし

正しく理解しているとも言い難い訳ですが

ただ一つ言える事は

私にとってのマーラーは

モノトーンの無声映画を見ているみたいで

時系列を無視して流れてくる描写を

しごく客観的に 遠景で眺めている感じ

ただそれだけで 理不尽なくらい心地良い


マーラー:交響曲第10番
ヨエル・ガムゾウ補筆完成版
素人の私が「未完の十番」とやらに手をだして良い

ものやら??と云う心配はありましたが

ただそれ以上に「補完」と云う言葉に魅かれて

手にしてみました


“一子相伝”


どんな名工にも寿命があり その技を受け継ぐ者がいるように

私達の歴史が ずうっと遙かな太古から今日に

紡がれてきたように

繋がることの重要性を説く一方で

その代で終わって、また新たに生まれてもいいのではないか?

と思ったりもします

寧ろ一子相伝の技こそ一代限りで終わり

門前の小僧たちの中からそれを凌駕する者が現れる

と云う楽しみ・喜びを味わう


よって、私はその「手が変わる」事実を あまり歓迎していませんが

ガムゾウも門前の小僧のひとりであり

遥かに凌駕する才をもった人なのかも~と思うと

未来の私達に残してくれた贈り物の中身が見たくなりました

一人一人の十番があって良く

掘り下げれば どこまでも哲学的で難解なものになるでしょうが

あるがままの心象風景に浸れるなら

それで十分なのではないか…と


秋の夜長にお薦めの1枚です





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