いらかのなみ
甍の波
其の十二
~ いつか見た少年の夢 2 ~
話は遡ること55年前の昭和39年(1964年)
第18回 東京オリンピック
その頃だから、戦後の復興とオリンピック特需で
国中が生命力に溢れていたことでしょう
その頃の 私が育った町には ひときわ大きな建物が二つありました
ひとつは市役所に隣接した消防署の火の見やぐら
もうひとつは 川を挟んだ向かい側にある唯一の デパート
当時の子供の目に映った景色は 恐らく想像つかないと思いますが
とにかく、とんでもなく大きな物に見えて…
でも、どちらも5階建てくらいだったんだと思います
デパートの屋上には、更に高い場所がありまして
それは 飛行塔 でした
位置によっては、真下の舗道も見えたような記憶が…
目線を上げると 向いには火の見やぐら
遠くには(眼下からつながる)甍の波のその先の
田畑や山並みに繋がっていた風景が
まだ見ぬ未来に繋がって見えていた気がします
そして今までに 音楽を通して
色々な場所を訪れ
様々な人に出逢い
あらゆる感情を垣間見ました
想像と創造の産物でした
時空を超えられるマシンなんでしょうね!?